忍者ブログ
プロフィール
HN:
斎藤 博之
性別:
男性
職業:
フリーランス・ルポライター
自己紹介:
さいとう ひろゆき

1960年、青森県弘前市生まれ。
1997~1999年、アクセス21出版編集長
2000~2002年、『季刊シンポジオン』編集長
青森市在住、フリーランス・ルポライター/フォトグラファー。

 東北や北海道・日本海沿岸各地を主なフィールドとして、祭りや民俗芸能・地域に固有な食文化・街道や海上の道の社会文化史・温泉の文化史・地域のなかの蕎麦やラーメン・地域づくりやNPO活動などについて執筆している。
 また、スローフードやエコミュージアム・グリーンツーリズムをテーマとする地域づくりの指導もしている。

<専門分野>
イタコとオシラサマ・祭りと民俗芸能・民俗文化・縄文の社会史・街道の文化史・北前船の社会文化史・スローフード・郷土料理と食文化・地酒や味噌醤油など醗酵食品・地域のなかの蕎麦やラーメン・温泉の文化史・地域コミュニティ・農山漁村と農林漁業・観光物産・グリーンツーリズム・地域づくり・エコミュージアム・地域学・エコロジー・NPO・自分史指導・その他
ブログ内検索
カテゴリー
ライター斎藤博之の仕事
ライター斎藤博之の仕事
ライター斎藤博之が地域限定の新聞・雑誌または非売品の媒体などに執筆した文章です。
斎藤博之のTwitter
    follow me on Twitter

    最新記事
    最新CM
    [08/17 Kamado]
    最新TB
    リンク

    雁屋哲の美味しんぼ日記
    (雁屋哲さんの公式ホームページです)

    美味しんぼ塾ストーリーブログ
    (『美味しんぼ』全巻のあらすじを検索)

    企画集団ぷりずむ
    (雑誌にラーメン特集などを執筆しました)

    グラフ青森
    (雑誌に民俗芸能・地酒などの連載をしました)

    まるごと青森
    (青森県の観光担当職員たちで作るブログです)

    恐山あれこれ日記
    (恐山菩提寺の院代・南さんの日記です)

    山の楽校「焼き畑日記」
    (八戸市南郷区で焼畑を復活しました)

    レストラン山崎
    (弘前のスローフードの仲間です)

    洋望荘
    (八戸の自然食・スローライフの宿です)

    仙台ラーメン金太郎
    (コンセプトと食材を担当しました)

    仙台屋
    (食材と地酒を集めました)

    深浦の食べ物屋セーリング
    (深浦の正直な食べ物屋さんです)

    青森県のラーメン・旅の宿と温泉
    (T.KENさんのホームページ)

    あおもりラーメン協会
    (あおもりラーメン協会の公式サイト)

    新井由己の仕事帖
    (地域のおでんやハンバーガーなどについて
     食文化として研究しておられます)

    わ的には 「北の国」のチョット南から
    (青森などを歴史も交えて探訪する
     ぴかりんさんのカナリ楽しいページです)

    大川平の荒馬
    (「大川平の荒馬」のホームページです)

    べんべのけやぐ
    (「大川平の荒馬」のメンバーです)

    じっくり・ゆっくり・2
    (「大川平の荒馬」のひろさんです)

    我、旅の求道者也
    (「大川平の荒馬」で知り合いました)

    下田ゆうじの津軽お祭道中
    (懇意にしている鳥井野獅子踊りの若手後継者、
     下田ゆうじさんが津軽の民俗文化を語る)

    小竹勇生山の瞽女宿
    (津軽三味線と越後瞽女を取材しました)

    津軽の侫武多
    (斎藤の作ったネブタ分布データを共有)

    阿部かなえの二胡のページ
    (北東北初の二胡の教室を開いた方です)

    憩いの森メーリングリスト
    (東北の魅力に触れるメーリングリスト)

    くぼた屋ウェブログ
    (岩手県滝沢村とゲームについての話題)

    土徳の世界
    (映像作家・青原さとしさんの公式サイト)

    藝州かやぶき紀行
    (広島の萱葺き職人を追うドキュメント)

    よたよたあひる's HOMEPAGE
    (ネットの友人で、精神保健福祉士です)


    にほんブログ村
    このウェブログは、「にほんブログ村」に参加しています。

    RSS
    バーコード
    カレンダー
    天気予報
    アクセス解析
    ライター斎藤博之が取材で出会った祭りや食べ物・歴史と風景
    PAGE | 1 2 |
    ×

    [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

    ここしばらく、岩手の中華そばを紹介しています。
    ここまでの共通点を書き出すと、
    1)スープは煮干を使い、脂が浮いていない
    2)白醤油なので丼の底まで透き通って見える
    3)麺は細く縮れている
    4)叉焼は小さく、葱・支那竹のほかに海苔が載っている
    などの特徴がありました。

    今回紹介するのは、釜石の三重食堂です。
    この店の「ラーメン」を食べました。
    これは一昨年の秋祭りのときに寄った店なので、
    値段は変わっているかもしれないため書きませんが、
    五百円玉でおつりが来ました。びっくりする安さです。
    中心商店街から少し外れた、地域の食堂です。
    おばあちゃんが娘さんと切り盛りしていました。


    三重食堂の「ラーメン」(岩手県釜石市)

    (画像:三重食堂の「ラーメン」=岩手県釜石市)

    ここでもやはり、スープはあっさりと透き通っています。
    煮干しと昆布のほかに、鶏豚の骨と野菜で出汁を取っています。
    けっして沸かさぬようにするので、スープは濁りません。
    野菜をたっぷり使うから、円やかでコクがあります。
    脂は僅かに浮いている程度で、あっさりしています。
    そして、やはり白醤油です。
    おばあちゃんが造る自家製の麺は、細く縮れています。
    茹で加減は柔らかく、しかしコシがあります。
    具は、葱と支那竹・叉焼に海苔と鳴門。
    この店も、叉焼は小さめでした。

    三重食堂
    岩手県釜石市小川町1-4-5
    0193-23-8041
    午前11時~午後7時
    定休日は不明(聴き忘れました)


    厨房と店の仕切越しに、おばあちゃんと話しました。
    地域の食堂らしい、温もりがありました。
    カレーライスやカツ丼なども美味しそうでしたが、
    それは次回に食べることにします。

    岩手の中華そばについては、
    ひとまず、ここで終えることにします。
    (ラーメンの取材ではなかったものですから)
    岩手には、今回紹介した中華そばのほかにも、
    三陸の「磯ラーメン」や
    「ニラなんばんラーメン」などもありますが、
    これはまたの機会に。

    PR

    雁屋さんと別れた翌日、
    遅い朝ご飯と言うべきか、早い昼飯と言うべきか、
    「中河」の中華そばをいただきました。
    このお店に入るのは、かなり久しぶりです。
    岩手には美味しい麺がたくさんありますからね。


    中河の「中華そば」(岩手県盛岡市)

    (画像:中河の「中華そば」)

    「中河」は1955(昭和30)年に屋台から出発した店です。
    開店の直後に入ったのですが、すでに満席です。
    常連のファンが多く、11時の開店を待っているのです。
    メニューは「中華そば」以外にはありません。
    1990年ごろまでは、もう少し品書きがあったらしいのですが、
    そのころまで東京にいたわたしには詳しいことはわかりません。
    いずれにせよ、空いている席に座ると、何人かと聴かれるだけです。
    「中華そば」のスープは透き通っていて、
    丼の底が見えそうなくらいです。
    ここも白醤油を使っているのですね。
    煮干しだしのスープはコクがあり、
    鶏豚の骨も使っているのでしょうが、
    脂はまったく浮いていません。
    細い麺はもちもちしていて、小麦の甘味を感じます。
    具は、小さ目の叉焼と、支那竹と、葱に、海苔。
    とても、すっきりした中華そばです。

    中河
    盛岡市本町通1−7−37
    019-622-5763
    午前11時~午後4時(売り切れ終い)
    日曜定休


    宮古の「たらふく」も、盛岡の「中河」も、
    煮干しだしの白醤油の透明なスープで、脂は浮いていない、
    具は小さ目の叉焼と支那竹と葱に海苔、
    という共通点がありました。
    なんとなく、岩手の中華そばの姿が見えてきませんか?

    いろいろな取材が重なって、
    岩手県で「中華そば」を食べる機会が多かったので、
    (ラーメンの取材ではありません)
    何軒か紹介してみましょう。

    岩手県内を車で移動していると、
    「ニラなんばんラーメン」の看板やのぼりが
    いたるところにみられます。
    それが何故なのかは別の機会に調べることとして、
    今回はこれではなく、「中華そば」を取り上げます。
    岩手県にも「老舗」の中華そば屋がたくさんあります。
    青森県や秋田県とは違う、岩手県らしい「中華そば」の姿が
    見えてくると思いますよ。
    そう、ラーメンは郷土料理、ですからね。


    「たらふく」の「中華そば」(岩手県宮古市)

    (画像:「たらふく」の「中華そば」=岩手県宮古市)

    一軒目は、宮古の「たらふく」。
    『美味しんぼ』の原作者・雁屋哲さんと
    偶然入った「中華そば屋」さんです。
    宮古にこういう老舗があることは知らなかったのですが、
    美味しそうな「におい」がして、寄ってみました。
    店の扉を開ける前から、すでに煮干しの香りが漂っています。
    メニューは「中華そば」だけ。
    軽く地じれた白い自家製麺は、かんすいが抑えられ、
    小麦の味と香りがします。
    スープは透き通って、醤油の匂いがしません。
    白醤油を使っているのです。
    表面に脂はまったく浮いていませんが、深いコクがあります。
    麺は多目ですが、後味がすっきりしているので、
    さらっと食べられました。
    ご主人は、三代目。戦後にお爺さんが始めました。
    先代、先先代についているお客さんが多く、
    長年かけてやっと認められるようになった、
    と笑っていました。

    「たらふく」
    岩手県宮古市大通1−1−20
    0193-62-5607
    午前10時30分~午後8時(売り切れ終い)
    火曜日定休

    12月上旬、「深浦の食べ物屋 セイリング」に行ってきました。
    とても真面目な、西海岸の深浦らしい料理屋さんです。
    いただいた料理の一部を紹介しましょう。


    セイリングの「海彦山彦」(青森県深浦町)

    (画像1:セイリングの「海彦山彦」)

    「海彦山彦」とは、深浦や岩崎で取り組んでいる、
    地元の旬の海の幸・山の幸を使い、
    この土地らしい郷土料理を観光客に食べていただこうという、
    活動の名前です。
    せっかく観光地に来たのに、
    宿泊施設や食堂で地元の料理が食べられなかった、
    という経験はありませんか?
    地元では旬の食材を美味しく食べているのに、
    お客さんに何か出そうとすると、
    変にあれこれ手を加えて、ありきたりのものになってしまう。
    普段食べているものではいけないのじゃないか、
    と考えてしまうからなのです。
    しかし、観光客が求めているのは、
    都会でも食べられるような料理ではありません。
    その土地でなければ食べられない料理と、
    その料理の背後にある物語なのです。
    郷土料理とは、その土地ならではの旬の食材を、
    もっとも美味しくいただけるよう、
    長い年月をかけて培ってきた知恵です。
    手間と暇は惜しまず、しかし小賢しい細工はせず、
    その素材が持っている本来の味を引き出すこと。
    そういう料理に出会ったとき、
    人は自ずとその感動を誰かと分かち合いたいと思うでしょう。
    この土地の食べ物を、この土地に伝わった知恵をもって、
    自然の恵みに感謝しながらいただく。
    「海彦山彦」とは、そういうコンセプトを掲げています。

    「深浦の食べ物屋 セイリング」も
    「海彦山彦」に取り組んでいます。
    写真は、ある日の「海彦山彦定食」のおかず。
    左下から、時計と逆廻りに、
    ・「えご天」の酢味噌和え
    ・イクラの鱠
    ・サザエの酒粕漬け
    ・サザエの刺身、アブラメの漬け
    ・ハタハタの佃煮
    このなかで説明を要するのは、「えご天」でしょうか。
    「えご天」は、「えご草」という海藻でつくる食べ物。
    日本海沿岸のところどころで、天日に干したこの海藻を
    寒天のように煮溶かして冷やし固め、
    刺身蒟蒻のようにして食べる風習があります。
    青森県でも岩崎から深浦・鰺ヶ沢・小泊にかけて、
    タレは酢醤油、あるいは酢味噌で、これを食べます。
    能登の「いご」や、九州博多の「おきゅうと」も、同じものです。


    地元で食べる「鰰白煮」が

    (画像2:地元で食べる「鰰白煮」が)

    しかし、きょうの目玉は何と言ってもハタハタでしょう。
    西海岸のハタハタは、12月上旬、雷とともに磯に寄ってきます。
    漁の期間は、わずか一週間。
    ハタハタは、疾風のように、北へ去っていくのです。
    地元では、ハタハタを「白煮」にして食べます。
    豆腐とネギだけを入れて鍋にし、醤油に付けていただきます。
    ハタハタの揚がる地元ならではの食べ方でしょう。


    烏賊刺身丼

    (画像3:烏賊刺身丼)

    ほかに、この日は「烏賊刺身丼」がありました。
    烏賊刺しに卵と大根おろしを入れてかき混ぜ、
    ご飯に載せて食べるという食べ方は、
    たぶん烏賊の甘味がいちばんわかる方法だと思います。


    セイリング自慢の洋食

    (画像4:セイリング自慢の洋食)

    ところで、このお店の自慢料理は、洋食なのです。
    なんで洋食が「海彦山彦」なの?というあなた、
    よく聴いてくれました(笑)。
    この料理には、この家の「おばあ」の野菜が使われているのです。
    写真は、左が「ビーフシチュー」、
    右がブロッコリーのスープ。
    シチューには「おばあ」の人参と玉ねぎ、
    スープには「おばあ」のブロッコリー。
    ビーフシチューの主役は、ビーフではありません。
    深浦舮作(へなし)の雪堀人参の種をまき、
    「おばあ」が農薬をかけずに育てた人参を、
    これも「おばあ」の玉ねぎといっしょに
    煮込むこと丸二日。
    これだけでもすごく甘いのですよ。
    よい人参は、煮てもあくが出ず、えぐみもなく、
    ものすごく甘いのです。
    人参は雪が降っても畑に植えたままにしておき、
    雪の下から掘り起こして使います。
    人参が自ら凍らぬように糖度を高め、
    ますます甘くなっていきます。
    二日煮込んだ人参は、旨みが凝縮しています。
    そこに、ソースを加える。
    余計なことは何もせず、何も加えず、
    加えるのは手間隙と、愛情だけ。
    スープのほうも、やさしい味わいで、
    野菜を作った人と、料理を作った人の
    真心が伝わってくるようでした。


    セイリングの店主と娘さん

    (画像5:セイリングの店主と娘さん)

    「深浦の食べ物屋 セイリング」のオーナー
    山本千鶴子さんと娘さんです。
    マスターの進さんは、はにかみやさんなのか、
    ずっと奥で仕事をしていました。
    「おばあ」にも会ったのですが、
    郷土料理の話に熱中してしまい、
    写真を撮らせてもらうのを忘れていました(笑い)。


    「おじい」が捕った海のものと、
    「おばあ」が作った畑の野菜と、
    料理を作る夫婦の真心と。
    青森県西海岸ならではの、心和む料理。
    深浦の食べ物屋セイリング
    青森県深浦町深浦字苗代沢78-34
    電話0173-74-3068
    (深浦駅を背に、国道に出たら左へ進み、すぐ)


    *「セイリング」については、「ライター斎藤博之の仕事」にも記事があります。
    「ライター斎藤博之の仕事」深浦の正月料理~セイリングの海彦山彦

    鷹巣は、秋田県の米代川中流の街です。
    この街に「福士そばや」という老舗があります。
    繁華街から離れているわけではないのですが、
    ちょっとわかりにくい裏通りなので、
    地元の人に案内してもらいました。
    「福士そばや」には、基本的には
    「かけそば」と「中華そば」しかありません。
    あれこれと蕎麦類が置いてあるわけではないのに、
    しかし「中華そば」が当たり前のように並んでいるので、
    よその地域の方は面食らうでしょう。
    北東北では、「中華蕎麦」のことも「蕎麦」と言います。
    「蕎麦屋」にも「中華蕎麦」があり、
    「中華蕎麦屋」をも「蕎麦屋」と呼ぶのです。


    福士そばやの「さくらそば」(秋田県鷹巣町)

    (画像1:福士そばやの「さくらそば」)

    この店には、基本的には、「かけそば」と「中華そば」しかない
    などと説明しておきながら、
    わたしの頼んだ蕎麦には何やら載っています。
    「さくら」つまり馬肉です。
    醤油でじっくり煮込んであるので、すでに桜色ではありませんが、
    とても柔らかく。蕎麦とよく合っています。
    米代川流域では、ごく日常的に、馬肉を食べています。
    「そば」は「津軽そば」によく似た煮置きの蕎麦で、
    独特の甘味があり、滑らかで優しい喉越しです。
    都会で流行りの「手打ち蕎麦」とはおよそ正反対の食べ物ですが、
    これがこの地方に根付いてきた蕎麦なのです。
    まったく灰汁のない澄み切った煮干だしがよく合い、
    とても上品なご馳走でした。


    福士そばやの「中華そば」(秋田県鷹巣町)

    (画像2:福士そばやの「中華そば」)

    このお店ではお客さんのほとんどが「中華そば」を注文しています。
    細くて白い麺はストレートで、
    まったくかん水の匂いがなく、素麺か冷麦のような食感です。
    煮干と昆布がベースのスープに脂はほとんど浮いておらず、
    麺の小麦ほんらいの甘味を引き立てています。
    のびやすいので、早めに食べましょう。


    今回は、いかにも鷹巣らしい「そば」と「中華そば」を紹介しました。
    「福士そばや」
    秋田県鷹巣町花園町12-16
    午前11時~午後2時30分
    日曜日定休

    (C)ライター斎藤博之の取材日記 ブログ管理者 斎藤 博之


    忍者ブログ | [PR]